Rebuilding Ocean Hue

Rebuilding Ocean Hue / Designed by Sae Honda

Designed by Sae Honda

海から藻場が減少する「磯焼け」は、日本を含め世界各国で問題となっています。その磯焼けの大きな要因と言われているのが、ウニなどの海藻を食べる生物の食害です。磯焼け地域に生息するウニは、身入りが悪く食品としての商品価値がないため、漁獲されずに放置され繁殖し続けます。磯焼けの改善のため、各地でウニの間引きが行われていますが、潜水作業に従事する人員の確保や予算の問題など、さまざまな課題が存在しています。このプロジェクトでは、間引きされた身入りのないウニの殻を活用し、新しい釉薬の可能性を探求しています。ウニの殻を焼成して得られる灰には微量のマグネシウムが含まれており、このマグネシウムが釉薬にマットな質感をもたらします。ウニ灰の配合比率を調整することで、艶感を自在にコントロールできるのが特徴です。さらに、表情豊かな仕上がりを目指して、ウニ殻の灰に海辺の砂を加え、色合いや模様の変化を探りました。海辺のウニの殻と砂という二つの素材の掛け合わせは、図らずも海の景色を感じさせるような豊かな表情を器の上に描き出しています。Rebuilding Ocean Hueというタイトルには、この素材の循環が、釉薬として海の色彩を再構築するだけでなく、海の中にかつて広がっていた風景の再生に少しでもつながればという思いが込められています。