MASS

MASS / Designed by Sohma Furutate

Designed by Sohma Furutate

人は目の前の”モノ”を認識するとき、無意識に過去の経験や知識を使いその実像を捉えています。しかしながらごく稀に、馴染みのない景色や違和感を覚える現象など、自らの経験が答えを導き出せない場合に限っては、形・色・位置・運動などモノのあらゆる要素を汲み取ることで実像を捉えようとします。近年多くの設計で用いられている3Dモデリングの機能には、人が要素から捉える認識のプロセスに似た性質があります。画面上で展開するオブジェクトは誰しも認識さえできますが、デジタル上においてあくまで成立してるように見えているだけであり、実際は私たちの経験則がそう錯覚させています。それらのオブジェクトは、厳密には厚みのない面で構成された質量の無い”「0」のオブジェクト”と言えます。そのオブジェクト同士が交わったり突き出たり、それによって穴が空いたりするようなデジタル上で引き起こされる非現実的な現象やエラーにより、画面上の現象と現実での経験則の関係が破綻し始めることで、たちまち脳が処理できなくなり目の前のオブジェクトを要素から読み解こうとし始めるのです。MASSはこれらの現象を実際の三次元空間へと持ち出すことで、私たち人が「どのように見て、どう認識するか。」というテーマに対して、経験や知識からではないモノの見方を促すインテリアエレメンツとして存在しています。これらは一見イレギュラーな外観をしているように見えますが、面の切り替わりや奥行き、陰影などのあらゆる要素を汲みとることで見えてくる形は、感覚的なモノの捉え方としての、より “人間らしい” 見方であると考えています。形あるものに限らず、私たちの認識の仕方で見えてくるモノの実像は変化します。様々な概念や価値観が日々アップデートされていく現代の社会において、多種多様な視点を持つことは私たちの暮らしにおいて重要な意味があると考えます。